イスラム教のシーア派とスンニ派の違い [日々の雑感]
中東のニュースでは、必ず「シーア派」と「スンニ派」という言葉を耳にします。
普通は、「イスラム教の中の宗派」くらいのことしかわからないかもしれませんが、「シーア派」と「スンニ派」が、宗教的に対立しているというイメージは、ちょっと違うかもしれません。
「シーア派」と「スンニ派」は、宗教的な違いは、ほとんどありません。
同じイスラム教でも、明らかに違う宗派もあるのですが、「シーア派」と「スンニ派」はほぼ同じです。
一番大きく違うところは、指導者(カリフ)の決め方です。
シーア派は、ムハンマドの子孫がカリフであるべきとする宗派です。
スンニ派は、話し合いによって皆から選ばれたものがカリフとなるべきとする宗派です。
これだけの違いなので、、シーア派とスンニ派が、宗教的正当性を巡って対立しているわけではありません。
日本とは違うので、わかりにくいかもしれませんが、イスラム圏は、政教一致の体制です。
「カリフ」は、宗教指導者であり、政治指導者でもあります。
中東の多くの国は、スンニ派の政権なのですが、イランはイラン革命で、シーア派が政権を取りました。
周辺国は、イランと同様に革命が起こるのではないかと警戒したため、シーア派は経済的にも不利な状況に追い込まれました。
これに不満を持ったシーア派の人たちが、団結して反政府活動を行なっているのが現状です。
なので、シーア派とスンニ派は、宗教的に対立しているわけではなく、「貧困層 vs 富裕層」という構図になっています。
さらに、クルド人の問題や、欧米諸国の思惑なども重なって、複雑な現状になっています。
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