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家制度のなごり?違和感を感じる言葉 [日々の雑感]



朝日新聞の投稿欄に載った記事で、「『嫁』『主人』に代わる言葉ないか」という記事が話題になっています。
若い人が自分の妻を「嫁」と呼ぶことに違和感を感じ、「嫁」「主人」を使わない呼び方を考えてほしいという、というものでした。戦前の「家制度」を思い起こすからという理由です。


「家制度」とは、江戸時代からある考え方で、明治時代には民法に規定されました。
「家」は、「戸主」と「家族」から構成され、戸主は家の統率者であり、家族は家を構成する者のうち戸主でない者です。
一つの家は一つの戸籍に登録され、これが「家系」です。
当時の戸籍管理業務は、お寺の仕事でした。そのため、古い「家系図」は、お寺から出てきます。

「家制度」特有の言葉として、「本家」「分家」「家再興」などがあり、今でも使っていますね。
また、「主人」「家内」「嫁」「婿」などの言葉も、主従関係がはっきりしていた「家制度」時代の言葉です。



数百年続いてきた「家制度」ですが、戦後には憲法24条等に反するとして、日本国憲法の施行(1947年5月3日)をもって廃止されました。
戸籍管理業務も、お寺の仕事から、役所の仕事に移りました。
現在の日本では、「家庭制度」をとっています。

「家庭制度」では、「家」というつながりではなく、「家庭」というつながりを重視しています。
例えば、結婚すると、新郎も新婦も、親の戸籍から離れ、新しい戸籍をつくります。
そのため、「嫁に行く」とか、「婿に入る」とかいう概念は(法律上は)ありません。
結婚すれば、どちらも親から離れ、新しい「家庭」をつくります。
「本家だから」「分家だから」とか「嫁に行く」「婿に入る」とかは、100年も前に廃止された風習なのですが、いまだによく聞きますね。



風習や習慣というものは、なかなか変わらないものです。
すでに法律も制度も変わっているのに、「主人」「家内」「嫁」「婿」などの言葉だけ残っています。
言葉の意味を考えれば、現代で使っているのは、確かにおかしいのですが・・・。








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☆KEY

初めまして。
行政書士開業したての者です。
古い戸籍を取ると何10人もの人が載っていて、
これが「家」かぁと思いました。

> 戸籍管理業務も、お寺の仕事から、役所の仕事に移りました。
→明治時代から役所がやってます
> 100年も前に廃止された風習
→計算間違いでは?70年前?

では。
by ☆KEY (2016-09-22 16:05) 

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